高木いくの「恋」「和」

通信販売を申し込んでいたCDが届いた。イクノフが帰ってきた。
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声は、変質しているのが分かる。声量は以前のようには出ていないのだが、『あすなろ』の頃もこれくらいだったか。声質に慣れてしまえば、絞り出すような歌声にはやはり聞き入ってしまう。
吉田ゐさおでなくなった曲は、高木いくの自身が書いている。ジャンスマポップとは違う。アルバムを作るにあたっては更にバリエーションを出せているだろうか。


だが、声が変わっても、曲が変わっても、イクノフの詞は健在だった。赤裸々で悲痛な、しかし美しい言葉が胸に刺さってくる。


この魔法が解けてしまうとき、
心は粉々に砕けるだろう
どこまでもどこまでも涙は
あふれ流れることだろう
でも止められない
あなたが好き
あなたが好き
「恋」

「恋」というありふれたタイトルで、以前から一筋縄では行かない恋の詞を書いてきた彼女が今、どのように表現するのか。


あなたに抱かれるためわたしは
じっと冬を生きていたわ
 今 咲き誇るよ
あなたが好き
 あなたが好き
もも色 薫れ
 そのくちびるがふれたときわたしも
この空に舞い散るだろう
「恋」

あけすけな吐露が、もはや心地よい。



この旅の先でただあなたに会いたい・・
この体がいつか静かに眠りにつくとき、
あなたがとなりで微笑んでいる、
そんな夢を抱いてる
「和」(やわらぎ)

「希望」や「祈り」、あるいは「ただの私」に流れていた絶望と悲しみは静かに続いているのだが、逆に穏やかさを得たようにも思える。


向かわずにはいられないね
風があなたを呼ぶほうへ
歌わずにはいられないの
海を山をこの里を
「和」(やわらぎ)

「翔べ!イカロス」から続く、歌うことへの執着。彼女のペースで歌い続け、僕たちも聴くことができる。これでいいのだ。