モンキー ビジネス2008 Spring vol.1 野球号

モンキー ビジネス2008 Spring vol.1 野球号

モンキー ビジネス2008 Spring vol.1 野球号

ああ。小説っていいもんだったなぁ。
などと呟いてしまうくらい、何かしら読んでいる筈なのに追えている作家がいない。
「野球号」を冠した冒頭の流れは綺麗だった。小川洋子と対談し、オースターが The Housekeeper and the Professor =「博士の愛した数式」を挙げ、名エッセイを掲載。次号「眠り」というのもまた期待できる。
「血」や「バートルビー」は流石のチョイス。ユアグローは鉄板だが、さらにハルムスも淡妙。
川上弘美岸本佐知子はいつもの通り。川上未映子の文体には警戒していたが抑えの効いたリズムを気に入った。
小野正嗣古川日出男の試みは分かるが評価し辛い。

自由過ぎる文芸は反って読むのに負担となる。作家に連いて行くという手もあるが、狭くならずに枷をはめる手段が必要となる。「柴田元幸責任編集」が成り立つことは以前からその翻訳で明らかだった。

自分の文芸道が定まらなくなっていることは痛感している。


そういえば責任編集企画の話を聞いたのは3年前だ。